2016年05月01日

膵臓移植(脳死下・生体・心停止下)膵島移植

膵臓移植(脳死下や生体移植・心停止下の移植)、また膵島の移植について2013年12月までの日本における施術数を述べておられる記事がありましたのでご紹介します。大阪大学によるものです。
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2013年08月25日

自家膵島移植のつづき

自家膵島移植について、よ〜く考えてみるとやはり以前から個人的には馴染みのある言葉なのでした。

忘れていたのですが、自分の作っているサイト「慢性膵炎ノート」で、「国立国際医療研究センター研究所」の膵島移植プロジェクトを紹介していたのでした。

そのプロジェクトのページ にはアメリカでの重症慢性膵炎患者への自家膵島移植の手術実績が次のように書かれています。

「自家膵島移植は1970年代に始まり、激しい痛みのある慢性膵炎や膵良性腫瘍で膵切除を行う患者に対し行われてきました。 ただし高度な技術を必要とするため限られた施設でのみ実施されてきました。近年その有効性と安全性が認められ、 アメリカでは保険診療となり実施施設が増加しています。我々のチームが在籍していた米国のベイラー大学でもこれまでに40例以上膵全摘術+自家膵島移植を行い、 ほぼ全例で痛みの著名な改善を認め、またほぼ全例で移植した膵島が機能し、良好な血糖コントロールが得られています。」

ベイラー大学は膵島移植(これは他人からの移植も含みます)では先進的な大学の一つのようですが、アメリカではすでに自家膵島移植が保険診療の対象となっているという点がすごいですね。

技術的に高度だから、どこの病院でもできるというわけではないけれど、治療法としては確立しているということでしょうか。

お国柄の違いもあり、単純にはいかないでしょうが、日本でも保険適用をしていただくと助かる患者さんは多いのではないでしょうか。

ちなみに、他人(脳死の方)からの膵島を移植する場合(これは免疫抑制剤をずっと服用しなければなりませんし、現在日本で積極的にやっているのかどうか不明です。狂牛病か何かの影響で一度中止になりました。)、治療費はおよそ300万円くらいだったと記憶しています。

posted by カオル at 09:12| Comment(43) | TrackBack(0) | 膵炎と外科的治療

2013年08月22日

自家膵島移植、国内初(?)の成功

昨日のニュースで、慢性膵炎の患者さんに患者自身の膵島を移植する、いわゆる「自家膵島移植」に阪大病院が国内で初めて成功したという記事がとりあげられていました。

30代の女性の患者さんで、遺伝性の慢性膵炎を患っておられ、疼痛があまりにも激しいため通常の食事すら困難であったようです。

痛みが和らいだという趣旨のコメントが出されており、非常に良かったと思います。

ところで、私は「国内初の成功」という文言を見て、「はて、国内初だったっけ?」とちょっと違和感を覚えたので、自分の「慢性膵炎ノート」で検索してみたら、

「慢性膵炎な毎日2」の2008年4月12日のブログで、2000年7月発行の日本消化器外科学会雑誌の神戸大学の先生方による自家膵島移植についての記事を紹介していました。

その記事を見るかぎり、神戸大学では既に実施しているような書き方がされているのですが、「可能性が示された」などのすこし歯切れが悪い表現もあって、あまりうまくいかなかったのかもしれません。

まぁ、初かどうかは患者さんにとってはおそらく問題ではないはずで、疼痛から解放されればそれでよいのだと思います。

さて、2008年のブログの記事でも述べているのですが、自家膵島移植は少なくともアメリカではかなり実施されているようなのですが、日本の場合はその点はかなり遅れているように感じます。

今回の患者さんのように、遺伝性で幼い頃から苦しんでおられ、ご自分にはなにも病気の要因がないような方だけではなく、もっと幅広い患者さん(アルコールの飲み過ぎで膵炎になってしまったような方など)にも、病状によっては自家膵島移植が実施されるような状況になればいいと思います。

posted by カオル at 16:21| Comment(6) | TrackBack(0) | 膵炎と外科的治療

2012年09月19日

松本慎一先生ご帰国

日本ではあまり事例がないと思いますが、疼痛のあまりにも激しい慢性膵炎の患者さんに対し、膵臓を切除し、そのままでは膵島(ランゲルハンス島)がなくなりインシュリンが分泌できなくなるので、手術の際、自分の膵臓から膵島のみを抽出し、それを自分の体内に移植するという「膵島自家移植」という外科処置の方法があります。

その道の日本における第一人者の松本慎一先生が日本に戻っておられました。

現在、国立国際医療研究センター研究所 というややこしい名前の研究所で膵島移植プロジェクトのアドバイザーをされています。

私がこのブログを始めた頃は京都大学におられ、私はその頃最悪の症状でしたので、いつかお世話になるかもと思っていたのですが、その後日本の別の大学に移られ、そしてアメリカの大学にかわられたので、ややがっかりしていましたが、5年ぶりにようやく日本に戻られたとのことです。

同ホームページの先生の記事によればアメリカのベイラー大学で膵島移植についての技術を研究され「ベイラープロトコール」と呼ばれる(「プロトコール」とは「治療を行う定まった手順」というような意味のようです。)方法を完成されたとのことです。

症状の激しい慢性膵炎の患者さんに対して、他人の膵島(脳死の方など)を移植するという方法もあるのですが、それだと拒絶反応があるので、自家膵島移植の方が遙かに予後がよさそうです。

私の全くの勘ですが、国立の研究所での研究ですので治療を受けるという行為そのものが医療技術発展のための貢献という見方ができますので、治療費は非常に安いものである可能性が高いと思います。

(勘です。違っていても責任はとれませんのであしからず。)

慢性膵炎の治療法も少しずつですが着実に進歩しているようです。

posted by カオル at 23:51| Comment(4) | TrackBack(0) | 膵炎と外科的治療

2008年04月14日

自家膵島移植の治療成績

自家膵島移植について、めっしーさんからのコメントをいただいて思い出したのですが、自分の膵島を自分に移植するといってもそれが100%定着するというわけではない、ということのようです。アメリカではミネソタ大学のサザーランドという先生が知られているようですが、その方が中心となって1995年に書かれた自家膵島移植のレポートでは以下のような成績になっています。

・「膵の全摘+自家膵島移植」を行った48人の患者のうち80%に部分的あるいは完全な痛みの消滅がみられた。
・インシュリンが全く要らなかった人の割合は当初52%で、術後2年から10年まででは34%であった。インシュリンへの依存率は、移植の際に得られた膵島の数によって異なった。どれくらいの膵島が得られるかという点については、膵臓の形態的な特徴によって前もって予想することができた。

インシュリンに依存しない人の割合が良くて5割というのは低いような気がします。

posted by カオル at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 膵炎と外科的治療