2007年04月17日

心身相関的悪循環仮説

先に紹介した膵炎疑診の記事は、膵炎疑診の原因として「心身相関的悪循環仮説」というものを示しています。それによれば、
まず疑診例の体質的背景として、膵外分泌機能と十二指腸乳頭を含む消化管平滑筋機能(?)の過剰反応があり、そのうえで、

@抑うつ感や不安感が膵液の過剰分泌、膵管内圧の上昇をもたらす。

A膵管内圧の上昇は膵酵素の上昇、腹痛・背部痛をもたらす。

B「症状の出現」、「検査値の異常の情報」は「膵臓疾患の対する誤った悲観的な認知」のために、抑うつ感・不安感を増大させる。

という循環で膵炎疑診ということになる、とおっしゃっているようです。

膵炎疑診の症状は、体質的なものを基盤とするが、大部分は気の持ちようから来る、という説のようです。

どうなんでしょう。



posted by カオル at 23:11| Comment(6) | 膵炎と慢性膵炎疑診

2007年04月15日

慢性膵炎疑診

「慢性膵炎疑診」で検索していると、おもしろそうな記事を見つけました。国立情報学研究所というところのサイトで紹介されている雑誌記事です。(そのCiNiiというサイトはいろんな分野の研究論文をネットでダウンロード販売しています。http://ci.nii.ac.jp/
そこで「慢性膵炎」というキーワードで論文を検索すると1600件以上ヒットします。)
慢性膵炎本コレクターとしては買わずにはいられず、「慢性膵炎疑診例の病態仮説と治療戦略」というその堅苦しい記事を買いました。カード払いで850円です。
1994年の医学雑誌に載ったもので、少し古いのですが、なかなか興味深いことが書いています。たとえば、ある研究者によると、慢性膵炎疑診の人は「心理テストで神経症傾向を示す例が多」く、「頭痛、不眠、アレルギー疾患の合併が多い」、「IBS,胆道ジスキネジーなど、ほかの消化器臓器の合併が高頻度で」、「抑うつ状態の合併が多い」、ということで、「確診群とは明らかに異なった臨床的特徴と心理性格傾向を示している」そうです。また、「アルコール制限や食事指導に対して、確診例は順守が難しいのに対して、疑診例ではむしろ過剰なほどそれを守る傾向がある」そうです。
また、「慢性膵炎疑診例の概念、病態、治療についてはいまだ定説がない」ともあります。「疑診例をめぐる第1の論争点は、疑診例とは、確診例と同一の病態の初期像または軽症例なのか、それとも全く違った病態なのかという問題である。」
ということで、確診例と疑診例との間には思った以上に溝があるのかなぁと考えさせられました。おそらく、10年以上前の疑診例についての謎はたぶんいまだに謎のままなんだと思います。




posted by カオル at 23:11| Comment(2) | 膵炎と慢性膵炎疑診