2009年08月29日

慢性膵炎の定義と分類の見直し

何気なく日本膵臓学会のHPを覗いてみたら、興味深い記事がありました。

厚生労働省と日本膵臓学会、日本消化器学会が合同で「慢性膵炎臨床診断基準2009」という新たな診断基準と分類法を提案されているのです。

内容はPDFファイルになっており、すぐに読めるし、ダウンロードも容易ですね。

今までは日本膵臓学会と日本消化器学会がそれぞれ定義を出していたように思いますが今回から合同にする(?)ということであれば、それがまずニュース。

また、「定義」のところに、『自己免疫性膵炎と閉塞性膵炎は,治療により病態や病理所見が改善する事があり、可逆性である点より、現時点では膵の慢性炎症として別個に扱う』という部分があり、これまで慢性膵炎の進行が常に「非可逆性である」という絶望的なトーンで語られていたことと比べると、中には可逆性のものもあるよ、というちょっと希望の持てる定義に変化している点がニュース。

ただ、『膵の慢性炎症として別個に』と言われましても、「慢性膵炎」というものの素人的理解では膵臓が慢性的に炎症を起こしているから、慢性膵炎ということなので、ちょっと表現としてわかりにくいですね。『あなたは自己免疫性膵炎ですから、慢性炎症です。まだ慢性膵炎ではありません。』というのは、明確さに欠けると思われますがどうでしょうか。

さらに慢性膵炎の種類分けが大変シンプルになっていることもニュース。新しい分類では慢性膵炎は、

@アルコール性慢性膵炎

と、

A非アルコール性慢性膵炎(特発性、遺伝性、家族性など)

しかありません。大変わかりやすくていい感じです。

慢性膵炎臨床診断基準のページで、「早期慢性膵炎」という表現が登場しています。これは進行を遅らせることができるかどうかが、予後の質を決めるので、患者の回復に重点を置いた発想から出た表現ではないかという気がします。

ほかにも、「慢性膵炎疑診例」の定義が以前よりかなり明確になっていて、なんだか日が当たって来た感じがします。

医学的根拠もないので当たり前ですが、「おなら」「げっぷ」などの症状は診断基準に入っていませんでした。

また、気分の落ち込みなどについての記述もありません。病気に付随して起こる二次的なものということでしょうか。

posted by カオル at 23:10| Comment(6) | TrackBack(0) | 膵炎と定義